レッスン15
<基礎的な練習をするには
        楽譜を読むということ>

レッスン14までは、あまり難しく考えずにピアノの音を楽しむことを書いてきました。

ピアノを弾きたいと思ったとき、弾けたら楽しいだろうと思って始めると思います。

弾いてみたい曲あるいは弾くことのできる曲を楽しんでいる間はいいのですが、自分で想い描いたピアノ音楽の世界にはなかなか到達せず、行き詰まってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな時は基礎的な練習に戻ってみるのもいいと思います。

基礎的な練習の一つは楽譜を読んでみることです。

今までピアノの音色、メロディーの流れ、リズムを感じて楽しむことを書いてきたので楽譜を読まなければならないのか、やっぱり大変なんだと思われた方もいらっしゃるかも知れません。

ピアノの音色、メロディー、リズムを楽しんだからこそ自分の演奏をだれかと共に楽しみたいと思うこともあるでしょう。

家族でも友達でも誰かの前で演奏する時、その演奏に納得できるのは、演奏者が曲全体を把握していることが重要になってきます。

楽譜からどう演奏したいか考えることは、納得できる演奏をする第一歩になります。

ピアノの音色、メロディー、リズムを楽しんだからこそ楽譜も読みやすくなり、楽譜から情感も読み取れるようになっていくと思います。

次回、レッスン16<楽譜を読む練習>は10月10日更新予定です。

これまでのレッスンはメニュー【ピアノを楽しむために】からご覧いただけます。

レッスン9
<練習曲の世界その1>

子どもがピアノを初めて練習する時の教則本は定番のドイツのバイエルピアノ教則本、アメリカのトンプソン現代ピアノ教本に始まり、その後、日本で出版されたものやアメリカやヨーロッパで使われている曲集を日本語版にしたものなど種類が多くあります。

教則本というものも、その教則本の作曲家が生きていた時代や住んでいた国によってその本の中に使われている音楽がそれぞれ違います。

導入としての教則本に続く練習曲も、時代や作曲家の考え方で曲が出来上がっています。

つまり教則本や練習曲はそれぞれの曲集の中で一つの世界が出来上がっています。

音楽的な面だけでなく、テクニック的な内容まで。

教則本は導入なのでひと通り修了した方が次に進み易いですが、練習曲はいろいろ種類もあり

例えばツェルニー40番が終わったから、音楽的に演奏できるようになったとは言えません。

今弾いている練習曲と難易度が同じぐらいか、

少し難しくても将来弾いてみたい曲ならこの練習曲が終わってからと思わずに是非両方練習してください。

出来るだけ広い音楽の世界を経験するためには、

教則本や練習曲は可能な限り早く終わることを

お勧めします。

練習曲集一冊を早く修了するには、楽譜の読み方や曲全体を把握する力が要ります。必然的に力が付きます。

専門的な訓練だと思われる方は、好きな曲集だけにするとか、大人の初心者にお勧めするように、弾きたい曲を練習しながらその曲が弾けるための方法を考えると良いと思います。

レッスン10<練習曲の世界その2>

次回は7月19日に更新予定です。

これまでのレッスンはメニュー【ピアノを楽しむために】からご覧いただけます。

レッスン8
<演奏する曲を選ぶ時に>

レッスン7まではピアノという楽器を知って

使いこなすための『はじめの一歩』を書いてきました。

ここからは演奏する曲のことを考えていきたいと思います。

今の時代、音楽とひとくちに云ってもジャズやポップスやロックや一般的にクラシックと呼ばれているもの、民族音楽等々、本当に多岐に渡っています。クラシックと呼ばれていても、古典派の曲と云うわけではなくバロックから今まさに作曲されたホヤホヤ出来たての曲まであります。

それぞれのジャンルの垣根も明確に分かれているわけではありません。

日常生活の中にも音や音楽が溢れています。

耳慣れているのは電子音かもしれません。

ですからピアノを弾こうと思ったときにも、ピアノのために作曲された曲を選択することも意外と避けられているように思います。

でもピアノで弾くことを前提として作曲されている曲はたくさんあります。

ピアノを始めたばかりの人こそ、ピアノのために作曲された曲を選んでいただきたいです。

なぜかというとピアノのために作曲された曲は、ピアノで弾く時の手の動きが自然なことが多いからです。必然的にピアノという楽器の鳴り方を知って、ピアノの特徴を演奏に活かすことが出来るのではないでしょうか。

ピアノのために作曲されていない曲というのは

他の楽器のために作曲された曲をピアノで弾けるように編曲したものです。

特にオーケストラで演奏する曲の編曲版は、演奏するのが簡単になりすぎたり、大変難しかったりします。

始めたばかりの人にとってピアノという楽器を知るには不向きだと思いますが映画音楽など、どうしても弾いてみたい曲などは想像力を働かせて音楽として楽しむことは出来ます。

レッスン9<練習曲の世界>

次回は7月11日に更新予定です。

これまでのレッスンはメニュー【ピアノを楽しむために】からご覧いただけます。

レッスン4
<教則本や曲の楽譜を前にして弾くときに>

ピアノを弾いてみたいと思うとき、楽譜を読むのがしんどいなと思ってしまいませんか?

レッスン1で姿勢のことを書きました。レッスン2ではメロディーを楽しみましょうというお話でした。レッスン3ではピアノの音の響きを存分に楽しんで欲しいという気持ちをお伝えしようと思いました。

さて、こう書いていくとそんなことでうまくいく訳はない、響きを楽しむなんて上手になってからでしょうと思う方は多いでしょうね。

特に教則本や曲集を譜面台に置き、いざ弾いてみようと思うと姿勢も、音を楽しむことも吹っ飛んでしまい、メロディーすら良く流れないということになってしまうことがあります。

こんな時も一呼吸置いて、今弾こうとしている曲はどんな感じかなと思いを馳せてください。

メロディーをドレミで歌ったり、先生に弾いてもらったり、きれいな音の音源があれば、何回も聴いたり、簡単な曲でもどういう流れになっているか曲の形式を考えてみてください。

何回も弾いたり、譜面を見ながら聴いたりしているうちに、音符と音の関係が分かってきます。譜面を読むのは練習が要ります。ソルフェージュという科目名があるほどの内容ですが、それが出来ないとピアノが弾けないと思うことはないのです。

でも楽譜が読めたら世界が広がりますね。

楽譜が読めるようになる練習は、たくさんの楽譜を読むことです。あまり難しくない曲で。

もちろん最初のうちはレッスンの時に先生に手伝ってもらうのもいいですね。

初めての場合、たどたどしいこともあるかもしれません。でもどんな短いフレーズを弾く時でも音が良く響いてそして指が動きやすい姿勢で弾いて欲しいです。

自分の好きな曲をCDや何かの音源で聴いている時の気分になって弾いてください。

ピアノの音を楽しむことが楽譜を読んで弾けるようになる早道です。

次回レッスン5

<ピアノで弾く音楽の世界>

次回は6月13日更新予定です。

これまでのレッスンはメニュー【ピアノを楽しむために】からご覧いただけます。

《ピアノを楽しむために
大人と子どものはじめの一歩》

はじめまして《オルペウスムジークハウス長岡京》のピアニスト・講師の坂本かおるです。

新型コロナウイルスが猛威を振るう今、色々な過ごし方が提案されています。

楽器の演奏も気持ちを落ち着かせるのに効果的とも言われます。

オルペウスムジークハウスホームページ開設にあたりレッスンに来て頂けない今、自宅でピアノを楽しむためのワンポイントレッスンを連載したいと思います。

ここでお話しするピアノはアコースティックピアノがご自宅にある設定ですが、電子ピアノでも参考にして頂ける所もたくさんあります。

もちろんこれからピアノを弾いてみたいと思っていらっしゃる方にも参考にして頂けると嬉しいです。

レッスン1

<ピアノを弾いてみたいと思うとき>

 ピアノを弾いてみたいと思うときどういう気持ちになりますか?

その時々、それぞれの状況で違いますね。まったく初めての方は何をどうしたら良いのだろうと思うでしょう。

子どもの頃習っていた方は手の形について厳しく直されたり、あまり気が乗らない曲を毎日必ず10回は練習しなさいなどと言われたことを思い出すでしょう。

でもそれはちょっと脇に置いておいて、初めてあるいはもう一度始める時に体に無理なく上達するために一番大事なことを次に書いていきます。

それは姿勢です。手を鍵盤に置いた時、手の甲が鍵盤から下がり過ぎたり、上がり過ぎたりしない様に椅子の高さを決めます。

両足の裏はしっかり床に付け、腰から背中までを柔軟に支えます。

この体の構造が整うとよく指が動き、音色も良く、音が響く様になります。

この姿勢で腕を鍵盤の30センチ位上から力を抜いて落としてみて下さい。

どんな音がしましたか?力を抜いて手を落とすと文字で書かれても分かりませんね。

実際のレッスンで私がやって見せても、打鍵するということを直ぐに理解するのは難しいようです。でも頭に置いておく事が大切です。

ピアノの前に座って弾こうとしたとき、ふと思い出してください。姿勢はこれで良いのかと。

子どもの場合、鍵盤と手の関係を最適にすると足が床に届かないことがあります。この場合、足の裏でしっかり支えられる高さの脚台を用意してください。

趣味でずっとピアノを弾くのを楽しんでいらっしゃる方は何曲か自由に弾ける曲をお持ちかも知れません。ピアノを楽しむのはそれが一番大事です。でも弾いていて手が痛くなるとか指が思うように動かないなどと感じていらっしゃったら、姿勢のことを思い出してください。ピアノは音域が広いので腰から背中までを柔軟に支えるというところの『柔軟に』を体得するのが難しいと思いますが、両足の裏をしっかり床に付け、腰から背中までを柔軟に支える姿勢はとても大事です。 

次回レッスン2 <メロディーを弾いてみる時に>

5月23日に更新予定です。